こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。

八尾社保協 介護保険学習会 介護保険新総合事業を考える学習会 講師 寺内順子さん

[2016.3.10] -[活動トピックス]

3月9日に開催された学習会の内容を報告します。

議会直前の学習会!しかも寺内さんの話が聞ける!万難を排して参加し、大満足でした。

まず、2025年にむけて「川上から川下へ」の説明が・・・。これは入院患者を早期に退院させ、地域・在宅への医療費削減のことである。

なぜ医療費を削減したいのか。それは団塊の世代が後期高齢者を迎えるその日のために・・・。

社会保障費の将来推計(厚生労働省資料より大阪社保協作成)が示されました。

2025年度、年金41%、医療35%、介護13%、子ども子育て4%、その他(生活保護など)6%

 ※国庫負担、自治体負担、自己負担も含めた総額から

この医療費35%をなんとか減らそうとやっきになっている。介護は病院から放り出される患者の地域での受け皿の体制に・・。

地域包括ケアの構築について・・。

その中に位置づけられた介護保険新総合事業とは・・。

①要支援1、2のヘルパーとディサービスの給付を廃止し、市町村事業(新総合事業)に移行

②サービス内容や価格、利用者負担は市町村の裁量で決定

③ボランティアやNPOなども担い手にしてコスト削減を図る。

④要支援認定の省略も可能

⑤事業費に上限を付ける

⑥2017年(平成29年)4月までには全市町村でスタート

ここでは要介護1、2も狙われていることが報告。早くて平成29年度から実施されるのではということでした。

全国では2015年度で202自治体(12.8%)2016年度319(20.2%)2017年度966(61.1%)見てい92(5.8%) 2015年10月厚労省調査より

大阪では2015年度箕面市、2016年度大東、茨木、羽曳野、その他は全て2017年4月スタート

現状と問題点として

①現行相当サービス

②基準緩和(安物)サービスA

③住民主体(ボランティアなど)サービスB

④短期集中サービスC

先行自治体にも様々なタイプ

①国モデル率先実行型 三重県桑名市(2015年4月実施)

②形式的移行(現行サービス中心)型・・・横浜市(2016年1月)倉敷市(2016年3月)

③予防地域づくり重視型

④現行サービス相当+既存サービス事業所緩和サービス型・・・大阪の多くの自治体がこの傾向になるかも

      ようは、基準緩和(安物)サービスAを今ある事業所にやらせていくということのようです。

国モデル率先実行型の桑名市の実態が報告 介護保険から「卒業」と言う名の「排除」

基準緩和サービスAはなし、住民主体Bと短期集中Cのみ

地域応援会議の実態など。

また、通所型サービスAの内容が報告され、実施主体は指定事業所でも無資格者(一定の研修・堺市は6時間×2回・実習なし)可、設備基準緩和、個別サービス計画なしも可、提供者はおもに雇用労働者、報酬は予防給付の8割から5割!(箕面市で70から75%)

大阪市の動向が報告

1月27日の審議会での報告では、新総合事業類型

(訪問型サービス)介護予防訪問サービス(既存の介護予防訪問介護相当) 身体介護 ・生活援助型訪問サービス(基準緩和型A型) 家事援助 報酬単価は75%へ ・サポート型訪問サービス(短期集中型C型)

(通所型サービス)介護予防型つう雨書サービス(既存の介護予防通所介護相当)・短時間通所サービス(基準緩和型A型) 報酬単価70% イメージ的にはパワーリハビリ ・選択型通所サービス(短期集中型C型)

大阪市の新総合事業類型の問題点

(訪問介護)

①訪問介護の「生活援助」の内容・目的・目的・効果をほとんど無視「無資格でもできる論」

②無資格にすれば人材確保できるという根拠はまったくなし

③基準緩和型で提供すれば有資格者が訪問しても75%の単価  

人材不足にあえぐ訪問介護事業所の実態を顧みない机上の空論で大阪市のヘルパー事業は大ピンチに

(通所介護)

①視覚・設備基準緩和が無理なら「時間で緩和」という安易な案

②通所介護の果たしている豊かで多様な役割を無視し「短時間」=安上がり論

③報酬切り下げで疲弊し経営困難になっている事業所の実態が眼中にない

2015年「大阪府内ディサービス調査」でわかったことの報告

http://www.osaka-syahokyo.com/15daycare/d20151008b.pdf

八尾市の新総合事業の現状についても報告

2016年3.7に八尾市介護保険・担当課に電話で聞き取り

まだなにも決まっていない。(辛口コメント 隠しているか、ホンマに決まってないなら能力の出し惜しみ)

審議会も設置していない

現行相当サービスだけでいくのか、基準緩和サービスを入れるべきかどうか検討

事業者意向調査もしていない

年度中に寝屋川市とともに生駒市に視察に行く予定。

ここで生駒市の新総合事業の実態を報告

厚労省の介護予防モデル事業を実施

「地域ケア会議」多職種協働でケース検討会を月一回実施。

短期間利用(3ヶ月)で通所型事業を卒業(自主退学、中退もあり!)自立という名の切り捨てにならないか。家族や地域へまるなげ?次に会うときは家の中でこけてたり、認知症の進んだ状態?!

80代、90代の方に卒業を強いる!?

くらしは?経済的困難は?独居の方は?

 

八尾市に対していまからやれること

何も決まっていないといっても、2016年上半期できめてしまわないと準備ができないよ。

公文書開示で資料の請求(メールも含めて!)

逆に本当に決められないなら「現行相当サービス」だけでスタートするよう強く要請。

基準緩和サービスを導入すれば、必ず報酬減となり、既存事業所の経営を圧迫し、介護事業所撤退を招く。

チェックリストの扱いをどうするのか追及すること♥

 

参加した現場の方から報告がありました。

要支援1、2の方は、家の中で入浴、排泄はできる。(認知症がなければ)外出はシルバーカーか電動車椅子、手伝いがいる。

「3ヶ月で卒業」どころか、訪問ヘルパーが介護の重症化を防いでいる。

家事援助は、利用者に背中向けて仕事しているのではない。寄り添って、寄り添って、冷蔵庫を開けて何を食べているか、健康状態、生活状況もチェックしている。

医師が言ってた。「卒業」が通用するのは、要支援1・2の前段階の人たちではと

ディサービスの現場から

認知症や物忘れの方、疾患を持っている方、歩行は不安定ではない方が多い。しかし女性は特有の変質性関節症でつえや介助が必要な方が多い。

この方々を切り捨てるのは危険。

外に出て(ディ)認知症予防、ふれあい明るく元気に。

在宅になると日中は独り、テレビのもり、外出なし。

家で転倒→入院→医療費増大につながるのでは・・・。

以上です。