こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。

最終本会議 「安心して子育てできる環境を求める請願の件」について速報 採択適当(10人 共産・維新・無所属)不採択適当(17人 自民・公明・市民クラブ)

[2017.7.7] -[活動トピックス]

議会が市民の世論と運動の中で、割れだしました。

請願審査が行われた文教常任委員会では、採択適当(共産(2)・維新(1))不採択適当(自民(1)公明(1)市民クラブ(1))で可否同数。公明の委員長採決で不採択となりました。

そして、最終本会議では、賛成10、反対17で残念ながら不採択ですが、いよいよ市民の道理ある世論と運動のもと、議会が割れだしてきました。

  実は、この請願だけでなく、出張所の窓口業務全廃の中止を求める請願も、議員の報酬引き下げを求める議案(議員提案)も同じ構図・数で割れたところです。

日本共産党の採択賛成討論と反対をした市民クラブの反対討論を紹介します。

 

請願23号「安心して子育てできる環境を求める請願の件」について、日本共産党を代表して、八尾市議会での採択が適当という立場から賛成討論をおこないます。

 

 過日の文教常任委員会で、紹介議員から請願者の切実な思いが述べられました。

 「待機児童を解消するとしながら展望が示せない今、公立認定こども園整備の前に待機児童解消に全力を。」

「八尾市市民意識調査を分析すると、子育て世代が八尾市の子育て環境に不満を感じ、子育てしにくいことを理由に市街への転出を考えていることが顕著にあらわれている。」

「自衛隊駐屯地の真隣に建設される志紀の認定こども園の騒音を、専門業者に3日間の測定を依頼しました。平均が電車内の騒音である80db、最高で耳に障害が出ると言われる100dbでした。」

「公立認定こども園の設計では、子育て世代をはじめ市民の声が反映されていない。」などなど。

今回、請願者からは、これらの根拠となる詳細な資料が説明つきで全議員に配布されたことを申し上げたいと思います。

請願項目は

①待機・保留児の早期解消と希望する保育所等への入所②子育て世代の声を政策に反映を③新たに整備する子育て関連施設は、子どもにとって最善のものをです。以上3点です。

これに対して、今の八尾市の見解や対応はどうでしょうか。

“待機児童の早期の解消を図っていく。”“市民の声は参考にして取り組みを進めている。”“子どもにとって最善の施設となるよう務めている。”と言っています。

しかし、本当にそうでしょうか。請願者の思いはもう実施されているのでしょうか。とんでもありません。市民に対するあまりにも不誠実な姿勢を指摘せざる得ません。

まず、請願項目1について、待機児童解消についての大幅な責任後退についてです。

文教常任委員会で請願審査が終了した9日後、各派代表者会議でこんな報告が突然ありました。

「龍華出張所跡地に平成31年度に社協が認定こども園をつくる。」えっ?平成30年度の間違いではと耳を疑いました。

昨年12月議会では、平成30年度4月入所のために607人の定員を拡大しますと報告がありました。そのうちの龍華跡地と法務局跡地の公有地の入札が不調となって290人分の定員が未定になった時も、3月議会では平成30年度4月の入所を目指すと答弁していました。「最終的には公の責任で。」とまで言って。  

ところが、この各派代表者会議の唐突な報告によると、平成30年度4月入所の定員拡大は、607人から392人に、4割も激減をするということです。

龍華跡地という公有地に、公の責任で速やかに公立保育所を立てれば、万事解決です。ところが「公立認定こども園計画では、6つめの公立は無い。ここには、社協の保育施設を市の共同事業でたてる。すると相手様の都合で平成31年度になる。」と。

はっきりしました。平成30年度の待機児童解消よりも5つの公立認定子こども園計画、平成30年度の待機児童解消よりも社協です。

もう一つはっきりしたことがあります。平成30年度4月入所の定員拡大拡大計画が、この時点で4割減にならざる得ない状況で、平成31年度になぜすべての子どもが入園できる八尾市がつくれるのでしょうか。

ちなみに全国では、社協は公立保育所をまとめて民営化するときの受け皿となっています。社協に保育施設の運営の実績をつくる為に、こともあろうに龍華跡地を使ったのではと疑いたくなります。

次に、請願項目2です。志紀の認定こども園は子どもにとって最善どころか最悪の施設だということです。騒音が発生するヘリポートがある自衛隊駐屯地の真隣に子どもの施設を建てること自身、非常識です。しかし市はこう言ってきました。「おおむね環境基準内のレベルだから問題ない。」と。

しかしこの場所での環境基準値の測定はされておらず、科学的な根拠もなく、類推でこの発言を行っていることを当局は認めました。つまり市民を欺いていたのです。今回、保護者が専門家に依頼した3日間に渡る騒音調査は、衝撃的な事実を突きつけました。すると、今度は「環境基準を満たしているから問題ない。」としていたのが、「環境基準を満たしていようが、いまいが建物さえ防音をしていれば問題はない。」と本音をはきました。

これのどこが、最善の施設なのか。間違いなく最悪の施設です。ちなみに八尾市内では、ここ以外は騒音の環境基準を満たしているということを指摘したいと思います。

請願項目3は、請願者の指摘通りです。八尾市の将来のため、いっこくも早く、市の姿勢を改めて、市民の声を姿勢に反映させるべきです。

請願審査とは、議会と市民をつなぐ対話の文章と言われるています。今回の請願を謙虚に受け止めるなら、採択という選択しかないのではと思われます。

 

ついでに採択反対討論もされたので、紹介したいと思います。参考にしてください。

 

市民クラブが採択に反対討論

 

請願の中身は、当然のことであり、市も同じ思い、同じ方向性でしっかりと取り組んでいる。

だから、あえて採択する必要がない。

とりわけ、待機・保留児童対策は、、来年370人増やす。今年度の保留児が182人なので、十分対応できる。

 ※実は、これは誤りです。この370人定員拡大中、待機・保留が集中する0,1,2才児については、169人です。しかも3月議会の段階では、この0,1,2才の定員拡大の予定は、258人でした。正確な情報を示さなくてはいけないのでは。

竜華跡地には、平成31年度4月から公民協力で迅速にうちだした。

 ※ この跡地には、平成30年度4月入所を目指すと、3月議会では宣言していた。どこが迅速なのか。

市民意識調査で八尾市に不満を感じ、引っ越ししたい傾向が顕著にあらわれたというが、はたしてそうなのか。

公立認定こども園計画がよく見えていない中、公立幼稚園の休園、転園や偏ったテレビ報道によって市民が不安を抱いたのだ。

 ※平成31年度には始まるという計画が、未だ、よく見えていないことが異常です。市と考え方が違うと変更報道だと決めつけるのは、いかがなものでしょうか。

 

市は、個々のていねいな対応、情報公開をしている。

先日、公立幼稚園が休園となり、転園した子どもを見に行った。楽しそうに遊んでいた。保護者も安心していた。

「幼稚園の取り組みに理解を示していただいた。」「いつ、どんな状況でも集団に溶け込ませ、笑顔にするのが私たちの仕事だ。」と現場の先生がおっしゃっておられた。

 ※こんな状況をつくった、八尾市教育委員会やこれに賛成をした議員の責任とは、別問題ですね。現場の先生の仕事とすり替えないでほしい。

八尾市の認定こども園計画は、ハード面のみならず、保育・教育の中味を現場スタッフが、議論を重ね子どもを中心におきながら作り上げている。今は、不安が残っていても、スタートした時はよかったと安心できるようなる。

 ※まだ、中味も議論中なんです・・・。不安になるのは当然ですよね。結局押し付けですね。志紀の認定こども園の場所もしかりですが、どこが子ども中心なのか。

市は将来の公共施設のあり方を考えつつ、民間と協力して、適切に保育ニーズに答えている。人口が減り、子どもが減る中で、やみくもに公を残し、多くの保育士を公でやとうと次世代に負担を残す。目先のことだけを考えているのではなく、

数十年後の未来を見すえて安心して子育てをできるよう公立認定こども園を進めるよう申し添える。

 ※民間任せにしてきたから、待機児童が解消されないのでは?子どもは減っているけど保育ニーズは高まっている。

八尾市は、他市にひけをとらない子育て支援をしている。

市政批判を繰り返すばかりで、市内外で子育てしにくいまちとのレッテルをはられるようなことはしたくない。

 ※!!! 議会で議員が請願者を攻撃するようなことは、つつしむべきでしょうね。

 

今回の最終本会議の感想。

実は、この反対討論が先に行われ、私の賛成討論がその後でした。

私が討論を始めたとき、先の討論に傍聴席が無茶苦茶怒っていたのがわかりました。ひしひしと伝わってきました。ひとりひとりの顔は、良く見えなかったけど、みんな無表情で怒っていたのがわかりました。怒りを通り越したときの瞬間を見たような気がしました。静かな怒りというのを初めて感じました。