こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。
[2010.9.6] -[活動トピックス]
大阪府ではなぜこんなに中学校給食の実施率が低いのだろう?八尾ではなぜできないのだろう。なにか原因があるのか。
考えるより見るがやすし!
全中学校で、完全中学校給食を実施(しかも自校調理・直営!)している和泉市さんへ視察に行ってきました。
当日の献立は、豚丼と春巻き、牛乳。
まず驚いたのは、小学校と雰囲気がまったく違うこと。わいわい食缶を取りに来て、教室で手慣れた手つきで配膳。
終了のチャイムともに食缶を取り来るみんな
校長先生に案内していただきました。わああおいしそう、楽しそう。
なんと、春巻きを全滅したクラスが!ハプニングも発生していました!その後春巻き獲得大作戦が・・・あったとか。
校長先生や学校給食課・教育委員会・栄養教諭の方々からお話を聞かせていただきました。
献立は小学校と同じだそうです。でも小学校と雰囲気は全然違いました。
「小学校は決まりをつくって、みんなで守る。このことを重視しますが、中学校の発達段階では、自分で考え、自主的に動き、他者とかかわっていきます。きまりをを細かくつくって守らせ
ることにエネルギーは使いません。」とのこと。たしかに、みんな自由にのびのびと、合宿の食事みたいな雰囲気かな?ごはんやおかずよそっていた生徒の手つきもなれたものでし
た。家でよくお手伝いをしているのかなあ。
でもでも、まだ疑いがある私は、「給食中に抜け出したり、妨害したりとかはないですか。」とお聞きすると、「むしろ、日頃しんどい生徒が、給食の時間はいきいきしていますね。妨害は
ないですね。」
そうだな、自分も食べられなくなってお腹すくもんなあ。
「最近しんどい家庭も増えています。晩はコンビニ弁当、朝はコンビニパン、給食で栄養をという生徒もいています。」
うーん!弁当の我が市では、弁当もってきてない子は、菓子パン・ジュース・コンビニ弁当だったよなあ。そうなると3食こんな食事が続いている子もいることになってるし・・・。
「最近学校でも、他人とかかわりながら、みんなで力を合わせて共同作業で物事を進め、達成するということが少なくなっています。学校給食の営みは日々この作業であり、その中で
食の教育が展開されていきます。」
たしかに、力をあわせ、ご飯の用意をし、おいしい物を、みんなで食べる喜び!弁当では教育のいっかんとしてこのような取り組み、展開は難しいだろうな・・・。
そこで私は、馬鹿なことを聞いてしまいました。
「中学校給食より弁当がいいとか、中止を求める声はありますか。」と。
答えはこうでした。「こどもは、親に好きな物をいれてもらえる弁当がいいというかもしれませんねえ。でもそれでいいのでしょうか。そして、教育の現場の立場から言えば、弁当持参だ
と、もってこられない子への手だてや、多感な時期の生徒達がここの弁当事情に心痛める等配慮を考えるとそっち方が大変そうですね。しかし学校給食がないのを経験したことがな
いので想像になりますが・・・。」
なるほど!
中学校給食が実施できない理由は、その理論の積み上げのなかでがんじがらめになっていた私は、この視察で目からうろこでした。
ごく普通の教育現場での営みやん、学校給食は!
むしろなんで、小学校でとぎれさせてしまうのか、その理由がわからない。なぜ!おかしいやん!
なんか、振り出しに戻ったかんじです。でもこの感覚が一番大事なんでしょうね。
この思いを一人でも多くの方と共有できるよう、広げていきたいと思います。
最後に、ご協力いただいた、校長先生、栄養教諭の先生はじめ、学校給食課、教育委員会指導課等の職員の皆さん、そして議会前に視察を手配していただいた市会事務局の皆さん
ありがとうございました。
まさに、百聞は一見にしかず!勇気をもらって帰って行きました!
追伸 お昼の給食の味がずーと残って、野菜の甘みなどが何度もよみがえってきました。”記憶に残る味”でしょうか。これがマニュアル化されていない味なのでしょうか。