こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。

9日の緊急シンポジウムの概要

[2018.12.11] -[活動トピックス]

当日は、たくさんのご参加ありがとうございました。まず、概要をお伝えします。(防備録)改めて見やすいアップを目指します。

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まず、最初に強制ワイセツ事象についてシンポジストからご意見をいただきました。

(村山先生)市の対応をはっきりさせなくてはいけない。司法の場での解決というが、苦情処理委員会機能や事実関係の確認は、本来刑事事件になる前に対応すべきだった。社会福祉法人の目的に照らしても事態を行政に伝え、一緒に考える作業は不可欠だ。怠っていたのでは。市もチェックをしていたのか。そもそも、社会福祉法人とは、法人の財産を増やす時も減らす時も市の許可が必要。解散時は財産は他の法人に帰属する。それだけ資質が問われるということだ。市の監督責任は重大だ。

(杉山先生)性的虐待の問題。施設内虐待と言える。児童養護施設などは、職員や児童同士で問題になった。今回の事例では、虐待の第一線である児童相談所の役割が見えてこない。通報を受けたら検討し調査し対応が必要だ。市は、保護者から相談を受けた時点で児相に通報したのか。かつて、学校現場内で性的被害があった時に、疑いがあるときは、確証がなくても通告をすること文科省の通知がでた。職員が目撃した時の通報義務もある。その研修が十分だったのか。経営をしている法人の姿勢が問われる。児童福祉法18条には、信用失墜行為があれば、府は保育資格を取り消す行政行為が求められる。大阪府は虐待や保育資格の点からも知らぬ存ぜぬではいけない。今回、子ども達に起きただろうことは、重大事態だ。それを自覚していない法人、理事会、評議委員会の適格性も問われる。八尾市は、中核市として認可権限を持つ。この法人の理事会など適正・適格か第三者委員会に審査をしてもらい、答申を出させるなど、社会福祉法人の全面的な改変を迫る手立ては、いくらでもある。認可と監査権限が非常に近い位置にあるのが気になる。正反対のことを同業者がやっているようなものだ。

(寺町弁護士)わいせつ問題は日本では非常に軽く扱われている。性被害の考え方を根底からくつがえす必要がある。諸海外では、3歳から8歳までと10代前半の被害の山がある。ところが、日本では、8歳未満の山が見られない。これは、被害がないのではなく、表に出ていないだけだ。無いことにされている。しかし、小さい子の性被害は、自覚が無いからといって放置しておいたらいいわけではない。10代になって、気づいたときの衝撃、自己肯定感の崩壊、フラッシュバック、現実の乖離、依存や打つや自傷行為や自殺率への影響など、重大な犯罪被害である。小さい子の受けた性被害を真剣に受け止める必要がある。加害者は、たいてい小児性犯罪者か対人関係などのストレスや支配欲の発散などだ。(戦地性暴力も同じ構図)八尾市以外にも、多治見市や東京北区での保育園で児童への性的虐待があった。認可外保育園では、乳幼児の命を奪うと同時に児童ポルノを撮影していた保育士が、保育士に復帰をしていた例もある。小児性愛者は、治療を受けない限り繰り返す。排除するプログラムが必要だ。欠格事由の厳格化は、法改正が必要。最近、保育士資格がなくても保育の現場にいる人が多いので、DBSが世界では実施されている。一日2時間以上子どもに接するすべての職員の登録など。法改正していこうという機運もある。施設同僚の加害行為を疑ったら、どうすればいいのか。小児性愛者は、繰り返すので、通報して捕まえるしかない。そのきっかけがあって認知行動療法などにつながっていくのが現状だ。そして、再犯を防ぐには、現場から引き離すしかない。ということは、ブラック職場はリスクが高いということだ。低賃金、使い捨て、経営者の支配が強いと通報、逮捕になかなか繋がらない。対策として、密室を作らない、職場の風通しのいい雰囲気、子どもへの性教育(NOと言っていいんだよ。「秘密だよ」と言われたら教えてね。)これらの取り組みをしていることの外部発信が、小児性愛車が近づきにくくする環境も作る。今回、この事件が大きく報道されたが、なかったとされている幼児への性的被害が明らかになり、社会的に認知されたことは、今後この問題への社会的な取り組みを推し進める力になるだろう。

 

(質疑)市は「司法が解決」としているが、市は何もできないのか?

(応答)自治体は、認可、指導監督の権限を持つ。固有の行政権限だ。重大な人権侵害があった場合、行政権限を行使しない場合、行政の不作為に当たり、違法行為に当たる。今回の事例では、子ども達に何かあったと考えられる。不作為とならないための調査をするべき。園に文章で見解を求めているが、認定こ法19条には、現地に行って調査をすることもできる。

(応答)普通は、2月に保護者が警察に被害届けを出した時点で、市は動くものだ。それがなされていない。捕まらない限り繰り返すわけだから、司法で解決なので推定無罪だと市が動かなければ、放置されたままだ。防止につながらない。加害・被害の関係ではなく、事業者への指導監督が求められている。

(質問)保護者から、副園長から精神的な虐待もあったので市に相談に行ったら、刑事事件が進んでいるのでこっちは置きませんかと言われた。

(応答)ありえない。子ども主体ではない。

その他、他の園の例も紹介され、問題や課題があることが報告された。また、シンポジストから、法人や園の関係者と市長や市会議員の寄付行為など何か金銭的な関係など調査したほうがいいのではとアドバイスがあった。

 

休園問題について

(村山先生)市は、認定こども園は保護者と園の直接契約だと主張をしている。契約の趣旨は、卒園するまでの保育の保障だ。それが守られないのであれば、契約違反だ。それを行政も黙っていていいのか。仮に休園としても、入所した子が全て卒園するまで閉鎖しないのが本来のあり方だ。休園の申し出を受け入れるのがおかしい。職員派遣もできる。そもそも市は、入所調整まで行っている。それで突発的な休園では、今後安心して通わせることはできない。園と市が別契約をしなければ再発防止にならない。結局子どもに全部押し付けている。

(杉山)利用調整の意味を考えたい。行政処分に当たり、措置と変わらない。民間なら委託だ。これは、日本共産党の田村議員が国会で確認をしている。行政は赤ちゃんの園内の死亡事故でも逃げる時がある。引っ張り出すことが重要だ。また、社会福祉法人の理事長、理事会、評議員会が適切に機能しているのか、第三者委員会で審査すべきだ。条例を作ってやったほうがいい。市の指導監督権限でも注文をつけられる。保育を受ける権利や保育の継続の権利は最高裁(横浜市の例)でも認められている。人事の刷新指導は、結構他の自治体ではやっていることだ。ようは、それに値する事例という認識がないことが問題だ。

(寺町弁護士)山本南を運営する法人などに、現地の土地建物を賃貸契約をして、保育園の運営をお願いできないのか。(市が斡旋して)その場で保育の継続を追求するのが法人と市の責務だ。

その他、さくらの土地・建物の賃貸契約を行うには、法人の同意が必要であるが、市はその同意すら忖度して聞いていないことが議会で判明。検討はしたができないと勝手に判断して聞いていないらしい。とにかく、力関係だ。どれだけ社会福祉法人に世論という圧力をかけることが出来るのか。その他、ゆめ工房の閉鎖に関わった、芦屋から駆けつけた方が、その時の経験を報告。八尾市はひどいでんなと感想。寝屋川からも、東大阪からも、心配し応援するために駆けつけた保護者の方々が発言しました。

 

最後のまとめとして

(寺町弁護士)今日はこれだけ集まった。請願署名も1万筆近い。みんな応援をしている。あきらめずに全部の可能性を追求しよう。交渉事だ。世間にどれだけ訴えていくのか、外への発信が重要だ。応援していますよ。

(杉山先生)市の子どものケアのあり方が問題だ。児相がもっと協力をすべきだ。市は力を借りるべきだ。休園問題と合わせて、ケアの対応を。職員による施設内性的虐待を今後どう考えていくのか、ここだけの問題ではない。

(村山先生)保護者を市民レベルで支える必要がある。社会福祉法人のあり方が問われている。法人や市の対応はおかしいのではないかと社会に訴えていくことが重要だ。社会的にこの問題を明らかにしていくことが、休園や性被害から子どもを守ることだ。

 

最後に、保護者の方から訴えがありました。被害にあってから、園に不信感を持ちました。こういう被害の場合、”子どもに何度も聞かないほうがいい”と言われていたので、細心の注意を払っていたが、園が調査だとか言って、親の承諾なしに子どもに聞いていたことが後からわかった。「あなたの子どもには良くしてあげていたのに。」ともいわれた。こういう事件が起きるまでいいえんであると思っていた。幼い子にいいこと、悪いことを教えてくれるのが先生のはずなのに・・・。ケアのこともよくわからなくて戸惑った。子どもが気を使う。初めて事実を聞いたときに、私がすごい顔をしたからと思う。「今日は何もされなかったよ。」と親を安心させようとする。一ヶ月以上保育園の話をしない時期もあった。市役所にいいってもケアの話は放置された。園も市も動かない。いったい誰を頼ったらいいのか・・・。これまで同じ思いの保護者と励まし合ってきた。さらに理解者を増やして、子どものために頑張りたい。

 

この間の、議会での個人質問や文教委員会でのしつもんでやシンポジウムで明らかになったこと。

当然市がやらなければいけないことをしていないことが判明。

①今回、幼児に起きただろう施設内虐待はほぼ事実であろう。性被害について、重大事態という認識が薄く、司法の場で解決と言い訳をして、不適切な保育の調査をしていない。これは、行政権限の行使が不作為に当たる場合もある。

②法人は、休園前からも人事の刷新を検討していたが、進んでいない。休園後早期再開を目指して人事刷新を検討するとのこと。現時点でも市は人事刷新の援助や斡旋をすべきである。

③その場での保育の継続の立場で、出来うる限りのことをしていない。現法人の所有する土地・建物を市や他の法人が借りて運営することは可能だが、法人に対しその提案をしていない。内部で検討はしたらしいが。なぜ聞く行為をしない。働きかけをしない。

 

以上の問題点から、今の段階での到達。休園回避について

その場での保育の継続という、社会福祉法人としての責務や、市の立場を第一義にすべき。第一に現段階で人事刷新を目指している法人を市が援助し、人の斡旋もすること。(どこでもやっていること)間に合わない、その他事情で休園が避けられないなら、第二に、さくらの土地と建物を市が借りて、現職員の慰留も行いながら市の職員も派遣し4月以降も保育を保障すること。法人は、人事刷新で早期の再開を目指すとしているのだから、それが実現できれば元に戻せばいい。問題は、職員体制。市が運営するとしたらどれだけの職員が残るのかだ。しかし、退職理由と新しい職員が確保できない理由を考えると非現実的な話ではない。山本南での夙川学園の運営は、ほぼ補助金が出るので市の負担は大きくはない。休園が撤回された時もそのまま運営してもらうと答弁があった。山本南のことは、切り離して考えるべきだ。さくらでの保育の継続のために職員派遣と賃貸料を支出すべきだ。長期間続くことを市は前提としていない。(法人は早期再開を目指すとしているのだから。またそうできるよう市が援助をすればいい。)答弁でも「市が運営する場合は短期間」としていた。