こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。

9月議会の報告③ “同和地区があるとし、部落差別の規定まで。“ 

[2020.10.27] -[活動トピックス]

少し長いですが、この間の経過をまとめながら整理しています。お付き合いください。

 

R元年7月、市長は人権尊重社会づくり審議会に“部落差別解消に関する施策について“を諮問しました。

 

答申は3月頃予定。

 

審議会の部落差別解消推進分科会がR元年10月からR2年2月まで計3回開かれています。(HPでの情報)

 

その分科会では、4月から実施予定の“(仮称)第2期八尾市における同和問題を解決するための施策のあり方“が策定中で大詰めを迎えています。

 

そもそも同和行政とは、本来封建的社会の身分制度の遺物である部落差別をなくすために一般地域と同和地区の格差を是正する特別行政(地対財特法)でした。

 

平成14年には、こと特別法が失効しました。生活的・実態的格差も解消しています。

 

ところが八尾市では、平成14年に人権尊重社会づくり条例(附則あり。当時議会が修正を求めた。)を制定。人権侵害問題を差別問題に矮小化し、市民間に差別するものされるものと分断をし総合的な施策を推進するとしました。

 

そしれ平成16年には、“八尾市における同和問題を解決するための施策のあり方について“が取りまとめられ、「教育・労働・保健・福祉等の分野において課題が残されており、また、依然として差別意識の解消が十分に進んでいない等、今なお同和問題が解決されていない状況」とし、「同和地区」が明記をされました。

 

又、この“施策のあり方“が同和関係団体を協力団体と位置付けて、助成金や事業委託委の根拠とされてきました。

 

平成22年には、八尾市が(前市長)“同和地区にお住まいのみなさんへ“という㊙️がついた人権に関わるアンケートが、同和事業対象地域だったところを同和地区とみなして実施されました。(日本共産党谷沢市議が追及)

 

平成26年に策定された第2次就労支援基本計画でも計画の対象に同和地区住民が位置付けられました。

 

そして、今年度の9月議会に議決された“第6次八尾市総合計画“では、同和地区住民という文言と部落差別の規定が盛り込まれました。(日本共産党は反対)

 

平成14年の法失効以降の八尾市の行いは、行政自らが差別を作り出し固定化をするものであり、特定団体への1億円を超える助成金や事業委託の根拠となり、相談業務など公民協動(公的責任後退で民間に開放)の先進例となっています。

 

総合計画へ同和地区の文言や部落差別の規定が盛り込まれる経過が生々しい議事録で残されています。

 

(R元年2月13日八尾市地域就労支援基本計画推進委員会)

 

(委員)「地域就労支援基本計画に入っている同和地区住民がなぜ第6次総合計画に入っていないのか。」

 

「行政的には属人主義ではなく属地主義で法律を適用してきた。今の部落の実情を調査するにあたり、同和対策事業で用いたエリアを経年調べてきたが、今後どうやって調べていくつもりなのか。地域就労支援基本計画通りに表現を。被差別部落という表現でも構わない。」

 

「同和地区住民で区切らないと就労支援の対象者が特定できない。」

 

(事務局)「総合計画では部落差別解消推進法に表現を合わせた。」

 

(委員)「ならば部落差別は何かについて規定する必要がある。八尾労連氏の規定を聞かせて欲しい。」

 

又、市長から諮問を受けた人権審議会の部落差別解消推進分科会ではこのような議事録が残されています。

 

(委員)「一般施策から地域限定の新しい施策を作っていくべき。被差別部落のための福祉支援、教育、住宅について。例えば交通問題は一般施策の活用ではなく、被差別部落解消のための包括的政策だと打ち出すべき。」

 

「2002年以降、一般施策を活用してやってきたが、やっぱり部落が薄まっている。」

 

「要は部落をターゲットにした実態調査をやってこなかったということが最大の総括だ。現時点もそう。部落ということでやる気があるのかということが最後に問われている。」「部外秘という形で、例えば学力調査のデーターとか進路状況も提供していただいて、傾向が言えるのでは。この場のみと言うことで。」

 

それに対し、事務局である八尾市はこう答えています。

 

「一つは国勢調査の中で、これは地域そのものではないが、メッシュの傾向として出てくるものが見て取れる分があるので、その中から具体的に抽出は可能だ。もう少し地域を特定したデーターというのをこの中で議論するしていただくためのお示しの仕方というものもあるかもわからないなあと思っている。」

 

「(学力調査?)出せるものは出していけるようにやっていきたい。念頭に置きながら一度検討してみます。」

 

決算委員会でも指摘をしてきましたが、行政自らが差別を作り、固定化し、市民を分断させ、特定団体への助成金や事業委託の根拠となり、相談業務の公的責任を後退させて公民協働の先進例となっています。

 

人権条例の廃止、同和行政終結宣言、特定団体との関係見直しなどをきっぱり行うべきです。

 

なお現在、特定団体への助成金や事業委託など1億円近い公金投入についての情報公開を求めているところです。(期限11月11日)

 

(一般財団法人)八尾市人権協会の決算状況の公示が、法や定款に基づいてなされていません。(10月26日現在)

 

助成金を交付している八尾市からも指導するよう求めます。