こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。
[2021.7.29] -[活動トピックス]
問題は、水道企業団に八尾市の水道事業が統合したら具体的にどうなるかです。
これを“水道の自治“という点から考えてみました。
そもそも八尾市の水道事業は、八尾市の水道給水条例に基づいて実施されています。
水道事業管理者は市長に任命されています。
予算決算は八尾市議会で議決をされます。
これが企業団に統合したら、“八尾市水道の給水条例“は廃止となり、“企業団に参加してますよ条例“が新たに作られます。
八尾市水道局は、企業団の水道センターになり、水道事業管理者は水道センター長になるそうです。センター長は企業団の団長(堺市長)が任命するとか。
もちろん水道事業に関する予算は、八尾市議会ではなく企業団の議会での議決事項になります。水道料金も!
水道の自治とはなんでしょうか?
2019年のシンポジウム「どうする?日本の水道〜自治・人権・公共財としての水を」から引用させていただきました。
「水がなければ私たちは生きていけません。水は人権であり、自治の基本です。日本の水道普及率は98%を超え、豊かな水源と高い技術力によって、世界有数の「飲める水道水」を誇っています。自治体が責任もって水道を運営することで、日本国憲法第25条の生存権のひとつである「公衆衛生」が保障されています。」
市で担う水道事業と企業団が担う事業では、市民からの距離や関わりが大きく変化します。水道の自治の後退につながりのではと危惧をしました。
府営水道が担っていた用水供給事業を企業団が担うのと、受水団体である各市町村の送配水道事業を企業団が担うのは次元が違う気がしました。
しかも企業団が今後進める効率化については、施設の統廃合や職員削減など問題点もあります。本当に給水減少によるスケールメリットの減少なのか、広域化のための新たな整備が伴っていないのか、災害に対応できるものなのか慎重な検証が必要だと感じました。
水道事業には多くの課題があります。だからこそ“水道の自治“を大切にし、住民と共に考え乗り越えていくことが必要ではないのでしょうか。
今回の中間報告では、各10市の施設での最適配置案のシュミレーションが示されました。(下に続く)