こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。

9月議会で条例改定された(日本共産党反対、自民・公明その他賛成)まちづくり基本条例について

[2012.10.5] -[活動トピックス]

 9月議会に市長から提案があった、”八尾市市民参画と協働のまちづくり基本条例”(通称 まちづくり基本条例)を改定する件について、日本共産党(6人)と無所属(1人)は反対、自民・公明・その他会派は賛成で賛成多数で可決されました。

 今回の条例の改定は、小学校区(一部中学校区)にまちづくりの代表として八尾市が認定する校区まちづくり協議会を設置し、この協議会は、市が作成した地区別計画に基づいた”わがまち推進計画”をつくる事となります。また、来年度から”地域予算制度といっておおむね200万円の交付金がこの協議会に使い方を含めて支給されます。

 日本共産党の反対理由は、以下の点です。

まず、この条例の流れの背景にあるものです。

 本来、国と地方が協力をし、憲法に基づく国民の権利保障をはかるべきなのに、国はナショナルミニマムを放棄し、財政負担を含め地方に権限や基準を移譲しています。この間201の法律がそのために変えられ、地方自治体では条例策定でてんやわんやです。

 同時に進められているのが、社会保障の解体です。消費税増税と同時にそのための法律が民主・自民・公明の3党によって作られ、憲法25条を真っ向から否定し、”自助”と”助け合い”の社会保障を行うとしています。(もはや社会保障とはいえません。)

 八尾市では、この背景といったいとなって、まちづくり基本条例の策定(平成18年)そして第5次総合計画の策定(平成22年)そして今回の条例改定となっています。そこを貫く基本的な考え方は、”自助”です。そしてその”自助”を基本とした、新しい公共です。この新しい公共とは、「公共サービスは、行政のみが行うのではなく、多様な担い手によって・・・。(団体・事業所等)」という考え方です。この考え方を地域の隅々まで実践するためにすすめられているのが八尾市版”地域分権”です。

 自民・改革の賛成討論では、この考え方を端的にまとめていました。「小さい政府と新しい地域のあり方」と。

では、具体的にどうしていこうとしているのでしょうか。

 それは、八尾市と地方自治研究機構が行った、研究調査の中で”目指すべき姿”であらわれています。

 

  地域の協議会が八尾市から交付金をうけ、またその協議会が事業所やNPOなどに事業委託をしている図です。しかも協議会は、部会に別れ、各種団体(自治振興委員会、福祉委員会等)は、団体としての存在はなくなっています。

 しかも、行政の役割はどうなっていくのでしょうか、住民の福祉増進、奉仕者ではなく、”コーディネーター”になるといいます。これってなに?この間の市長のやってきたことを見れば明らかです。公立保育所を5つなくし、公共施設は指定管理者に権限を丸投げ、現在”しぶき”というプール施設は、事実上株式会社に丸投げ状態になっています。しかも今度開設される八尾南高校跡地の防災公園、体育館では防災施設でありながら、権限を含め指定管理者に丸投げ、防災公園はにもかかわらず、フェンスで囲って鍵をかけ、金を払ったものだけが使用できます。国民権保険の一部と後期高齢の窓口全部は、派遣会社に丸投げです。しかも市民からは取れるところからお金をとろうと家庭ごみの有料化のための審議会が開かれているところです。

 校区まちづくり協議会は、従来地域が行ってきた”自主的団体”が”自主的”に”行政の施策に協力をする”まちづくりとは違います。

 ”まちづくり”という名で新しい公共「つまり行政の仕事はコーディネーター、地域で”自助”を基本とした新しい公共サービスを担ってもらいますよ」そのための組織です。

この矛盾は、たちまちでてくるでしょう。

まず、来年度から実施予定の地域予算制度です。交付額200万円、使い方の権限含めてです。

もし、使い方に疑義が生じ、住民監査請求を経て、住民訴訟になれば、最終的に返還を行うのは、監査含めた協議会のメンバーとなります。

まさに、自己責任。これだけ大きな金額を権限含めて”自助でのまちづくり”の名で託される・・・。このことが知らされているのでしょうか。知らされているのは、お金の使い方はこうしましょうという研修会ばかりではないでしょうか。

詳しくは、9月28日の最終本会議の討論での私の反対討論の映像をご覧ください。始まってから、19分目が私です。ここをクリック