こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。
[2023.9.8] -[インフォメーション・活動トピックス]
今回の質問は挑戦でした。
戦後の占領期の性暴力の実態と今がつながっているという事。
それを敗戦後八尾での占領軍進駐で起きていたことを通じて明らかにすること。
だからこそ女性支援法の意義が大きこと。
質問を作成して、質問して、終えてそしてようやくまとまった感じです。
まず、占領期の当時大正飛行場(現 八尾飛行場)周辺の状況の調査から始まりました。
図書館、市史編纂室、議会図書館、地域の聞き取りなど。平和運動の証言集も。そして大阪民主新報の記者さんの援助。
結局八尾に特殊慰安施設があったかどうかはわからないままですが、米軍相手の私娼や宿などは資料や聞き取りから感じ取れました。そもそも特殊慰安婦施設の発想は、克服されることなく、米兵士にとって都合の良い買春を保証し、女性は性感染症の根源として検挙され、今の売春防止法につながっています。
なんと、女性の人権が踏みにじられた歪んだ社会であったことか。
今は見えにくくなっているけれど、抜け穴だらけの売春防止法の元、昔と同じく貧困と孤立の中で性搾取や性暴力にさらされている人がいてもおかしく無いと思いました。
今回の質問の難しさは2点ありました。
当時の状況の掘り起こしです。もう聞き取りできる人がいないということです。でも数人聞くだけで、新たな事実が出てきます。そしてこの掘り起こしについて、『今更そんなことを暴いてどうなるのか』とタブー視をされることでした。
この問題に触れることは、当時の売春女性を苦しめ、地域にも影響があるのではということでした。当時を知らない私にとっては、知ることだけでも意義のあることですが、触れてはならない何かを感じました。それは何かが未だわかりません。
また、タブー視する社会的背景を利用して、この問題が風化していく状況にも危惧を持ちました。これではこの問題は克服できません。
この質問を通じて、米兵士相手の性政策の政治的背景を知るにつれ、日本における女性の人権の扱われ方の酷さに怒りしか感じません。
性搾取を含む複合的困難な女性に対する支援を法的に位置付けた女性支援は本当に画期的な意義のあるものだと実感します。
新たな課題も生まれました。この法律のど真ん中にいる最も行政の支援が届かない女性に支援を届けていくのか。また生きがいが増えてしまいます。
いろんなことが学べた質問でした。戦後のこれら問題がタブー視されるのではなく、女性の人権が踏みにじられた歴史を総括してこそ今の性搾取や性暴力の問題への認識の発展があるのではと感じました。隠れて見えにくくなっているけどまだ続いている…。
たくさんの調べ物や調査をして、夏休みの課題を終えた気分です。
追伸 特殊慰安施設を調べるにあたって、豊中市史にお世話になりました。そしてこの市史の面白いこと。庶民的な批判の視点を持って、戦後の自治の確立を描いたいます。いっきに読みました。