こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。

決算審査報告 ④ 行政デジタル化の光と影

[2023.10.26] -[インフォメーション活動トピックス]

デジタルというと「よくわからん!」が先に立ってしまう私ですが…、デジタル担当の職員さんに何度もレクチャーを受けてなんとなく全体像を把握。大変な事態が進んでいるようです。

 

まず、「シン・公共事業」であること。

 

システム開発から整備まで、新たに莫大な税金が投じられる公共事業。しかも、権限も予算もデジタル庁主導で進められています。マイナンバーカードのアメとムチを使った強引な普及もその一つ。八尾市では、昨年で2万件増で一気に7割まで普及。しかし誤登録など、次々と由々しき事態が発生。八尾市役所でも点検作業が行われています。しかも、IT関係の契約は高額随意契約が多いこと。しかも大企業独占です。

 

そして、「市役所が市民から預かっている個人情報が危ない〜」ということです。

 

市民は個人情報を市役所に預けています。生年月日、住所、家族構成、所得、障がいの有無など。これら情報は目的以外に使われることはありません。管理も分散され、不外部との接続はありません。この情報を国が放出をしたくて、個人情報利活用法を作り、個人情報保護条例をなくしました。この個人情報保護条例とは市民の個人情報を守るための砦となっていたものです。八尾市でも昨年の12月議会に廃止されました。データーの連結、オープン化が可能になり、個人情報保護審議会は廃止となりました。

 

その狙いは、ズバリ「個人情報を国が一元管理をして、企業へ提供をして利活用(儲け)をしてもらおう」のようです。

 

そのためのシステム整備がデジタル庁主導で超強引に行われています。八尾市でも個人情報に関わる20の事業を国の情報システムに標準化しなければなりません。その標準に合わせるためには、市独自の施策は廃止が行われる危険があります。しかもこの作業をあと2年でしなければならず、予算も十分でなく、技術者も全然足りないようです。中核市の市長会は怒りの要望書を提出しました。

 

マイナンバーカードの普及はそのためのパスポートであり、マイナポータルはそのハブとなり、自治体は情報のプラットフォームとなります。

 

 デジタル化そのものに反対しているわけではありません。しかし、国民の合意のないデジタル化には反対です。

 

本来デジタル技術は、住民の福祉向上に資するものではならないし、”データーは人権である”を踏まえてもらわないと困ります。今のデジタル庁にはそれがありません。

 

市役所は市民の個人情報を預かる最後の砦です。個人情報を預かり、守ってきた歴史を踏まえ地方自治体の矜持を示していただきたいと思います。