こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。
[2024.12.1] -[インフォメーション・活動トピックス]
ニュース23の報道によって明らかになった、八尾市内の認定こども園の保育虐待問題。
子どもの権利尊重の立場に立って、子どもたちをどう守るのか、保育虐待を防ぐためにはどのような環境が必要なのか、共に考えていこうと普光院亜紀さんをお迎えして講演が行われました。
冒頭、この問題が発覚して急きょ結成された八尾市から保育虐待をなくすための緊急行動の皆さんから、ニュース23の内容を踏まえて、保護者の方々からの聞き取りや情報公開情報などから判明した経過の報告や明らかになったことが報告されました。
5月には、保護者が子どもの異変を感じ、保育虐待を疑うような場面を複数の保護者が目撃。さすがにおかしいと思い園に申し入れ。しかし、園の対応は、「まだ慣れていない」などの説明を受け、市役所に転園の相談。しかし、子どもを守るための手応えを得ることができず、ボイスレーコーダーを入れることを決意。1週間入れたら確証が得ることができるかと思ったら、1日で十分だった。
6月5日に、保護者が市役所へボイスレコーダーを持って転園交渉。市は保護者が聞かせた録音の一部で心理的虐待に相当すると判断。対応が始まり、結果的には週明けには3人の保育士が諭示退職。
6月24日の特別指導監査が開始され、今に至っている。
会が提出した質問状にもまともに答えようとせず、八尾では2018年にも私立認定こども園で性的虐待も起きているが、その時の経験も生かされていない。他の自治体で行われている当たり前の対応から程遠いのではないかという問題提起もありました。
普光院さんのお話。
保育虐待の相談があったがなかなか園や行政が動いてくれないなど問題があった。報道がきっかけで自治体がようやく動くようになり、国も各所管課に通知を行った。(2022年)親の会も関係者の啓発を推進して欲しいと緊急要望を行った。啓発とは、子どもの権利の立場から保育虐待を考えること、子どもに与える影響を理解すること、保育士としての知識と例示、アンガーマネージメント等など。
国がR5年にガイドラインを示した。しかし、この冒頭のフルーチャートに戸惑った。園として虐待の振り返りや改善が見られない場合市に相談をすることなど示されているが、そもそもこれができる園は保育虐待を防ぐことができている可能性が高い。しかし、実際に保育虐待が起きている園で、内部告発や保護者の訴えに対する対応として適切なフローチャートなのか、このフローチャートを実践できる前提が崩れているから起きているのではないかという指摘をされました。そく市が入って緊急対応をしてほしい!これが保護者の願いであると。
虐待は色々あるが、心理的・ネグレクトはわかりにくい。子どもに屈辱を与えて、罰を与える。放置や脅迫、激しい長期間にわたる叱責や給食のムリイジなど。「子ども自身は自分がどのように扱われたのかを理解しており、心に傷を負う」ということを忘れてはならないということ。音楽発表会の時にピアニカにテープを貼って音を出させないようにしたケースもあったということです。
不適切保育とは、子どもの気持ちを受け止め、一人ひとり主体的な保育をすることで防ぐことができる。その基準は子どもの権利条約一般的意見8号(2006年)にあると。
施設として、個々の子どもの立場に立ち、研修や話し合いを実践する職員体制、それぞれののそれぞれのの保育に意見や助言ができる関係性、保護者同士が繋がりを持ち、園との信頼関係を築いていくことが大切であることなど強調されました。
しかし、行政の対応があまりにも腰が引けている!と。そら、園長が動くがベスト。ここで全然ダメなケースがほとんど。組織の中で解決できないことが多々ある。証拠がなくても園に入ってほしい、事業所任せでは解決できないケースが多いと。
行政には捜査権限はないが、指導監督権限がある。行政すら適切な対応が不十分な場合は、こどもオンブズマンのような機関も必要。12月議会に請願で求めているとお聞きしているが、利用者(保護者)アンケートも有効だと思いますと。
ここで防犯カメラについて少し詳細に触れられました。安易に場面を切り取って見ると混乱が生じる時もある。保育者や子どものプライバシーに配慮して、ドライブレコーダー的な運用が有効では。原則非公開で再生のルール化。職員の同意のもとで必要な時に振り返りへの活用。警察・自治体への提供など。むしろ保育現場を守ることにつながる。
非認知スキルの大切さも訴えられました。自己肯定感や共感、思いやりは幼児期に育つ。アタッチメントで人権が侵害されず、自分が大切にされてこそ他者と同様の関わりができる。2歳児が泣いて収まらない時、見守り優しくハグし、気持ちに寄り添う。「こうして欲しかったんだよね」と成功体験を主体的に経験させていく。
これら実践しようと思ったら、やっぱり職員体制、配置基準などの充実がどうしても必要であるなどお話がありました。
フロアー発言もありました。
私立の園長先生から
。保育の現場は、子どもが本当に好きで、子どもが可愛くて魅力的で元気をくれると頑張って働くところ。働く仲間と保育のこと子どものことを話し、保護者と子どもの成長を喜び合える職場のはず。しんどいことも多いし給料も安い。どうしてこんなことが起きるのか。子どもや保護者の気持ちを考えると経営者としても苦しい。誰のせいにするのではなく、その背景をしっかり考えていく必要があるのでは。多くの経営者が人ごとではないと思っているはず。経営者として、法人の理念を忘れないこと、なぜ保育園を作ったのか、そして働く皆さんと理念を共有したい・「どんな保育をしたいのか」どうしようもない時、行政に助けてほしい。制度も変えてほしい。子どもを絶対に大切にするために。そんな保育を作るためには、保育士も大切にされる必要がある。心から笑顔があふれる保育を作ることがみんなの理想のはず。
2018年の八尾市内の性的虐待のあった認定こども園の保護者の裁判に関わっておられる弁護士さんから
行政が調査しなければ内部のことがわからない。内部調査しなかったら進まない。裁判になったら何もない。子どもの権利が守られない状態にあることを裁判やメディアは知らしめる役割があると思う。中核市は特別指導監査の権限があるが、未熟な状況にあるのではないかと感じる。このような有事の時の対応の悪さをを見るにつけ、平時でその機能が発揮できているのか。保育虐待の問題は、多数派になりにくいが誰にでも起きうること。そのことを踏まえて政治家は共有し、政策に反映すべきではないか。いま、政策的に規制緩和など保育の専門性の軽視の傾向がある。これも見過ごすことはできない。
2010年の八尾市ファミサポ事故で子どもさんを失った当事者の方からも発言がありました。
当時、行政に対応を求めたが、そういう制度ではないので裁判をしてもらうしかないと言われた。娘が生死をさまよっているときに。事故の調査を求め、議会にも請願を提出し、最終裁判に至った。結果的にちょっと進んだこともあったかもしれないが、今回のお話を聞いて、また対応が同じだと思った。「まずは園で対応」そんなことのできる園だったらこんなことは起きない!通報や相談がないと動かない。発見があっても解決までほど遠く、時間がかかる。
最後に行動的で議会への傍聴やカンパの訴えがありました。12月10日(火)の文教常任委員会では保育虐待の請願が審査されます。市役所8階委員会室。
なを、当日の資料などご希望の方は、以下にご連絡下さいとのことです。
そして、私田中ゆうこは12月3日に保育虐待の問題を個人質問で取り上げます。(3番目なので午後から?)市役所10階の本会議場。
追伸 普光院さんと初めてお話させていただきました。とても気さくでチャーミングな方でした。これら経験を活かして、大学院で児童関係を学び大学で教えておられるとか。子どもや保育に関わる方々は本当に人間的魅力に溢れておられます。