こんにちは。日本共産党八尾市議会議員 田中裕子です。

校内支援センターの見学に行かせていただきました

[2026.9.3] -[インフォメーション活動トピックス]

「行く・行かない」ではなく、こども自身の心の動きを大切に

 

志紀中学校の校内支援センター「toi toi toi」を訪ねました

八尾市内のすべての小中学校に校内支援センターが設置され、10校に支援員が配置されています。

9月3日、志紀中学校の校内支援センターを訪問し、校長先生や教育センターの方からお話を聞かせていただきました。

志紀中学校の校内支援センターの名前は、「toi toi toi(トイトイトイ)」。

 

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「願いごとがかないますように」という意味を込めた、おまじないの言葉だそうです。

登録制で、毎日利用するだけではなく、必要な時に部分的に利用する生徒もいます。

教室を間仕切りして、ひとりで落ち着いて過ごせる個別スペースと、机を並べて過ごせるスペースがつくられていました。

「いつ来ても大丈夫」先生が全時間に配置

支援員さんは、月・火・木・金曜日の2時間目から5時間目までサポートに入っています。

そして、志紀中学校で特に印象に残ったのが、月曜日の1時間目から金曜日の6時間目まで、30コマすべてに先生を配置していることです。

この体制なら、突然、生徒が「今日は行ってみようかな」とやって来ても、慌てて対応する必要がありません。

生徒が来ていない時間には、先生が「toi toi toi」で仕事をすることもできます。

「いつ来ても大丈夫」

そういう体制そのものが、子どもにとっても先生にとっても安心につながっているのではないでしょうか。

入学式でも「toi toi toi」についてガイダンスを行い、学校全体に周知しています。

そのためか、他の生徒たちも「サボりに行っている」「楽をしに行っている」というような見方ではなく、ごく自然に受け止めている様子です。

 

クラスとのつながりを保つ「トイゾン」(toizon)

面白い工夫もありました。

 

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「トイゾン」という連絡袋があり、同じクラス、同じ班の生徒が、クラスからのお知らせなどをその袋に入れて届けてくれるそうです。

教室には入れなくても、クラスとのつながりは切らない。

こうしたちょっとした工夫も、とても大切だと感じました。

もちろん、担任の先生をはじめ、教職員の間でも、不登校への対応について研修や資料配布などを行い、認識を共有する努力が続けられています。

この10年で、不登校への対応は大きく変わった

校長先生のお話で、とても心に残った言葉がありました。

「学校に行くか、行かないかではない」

教育機会確保法の考え方に基づき、社会的自立を支援すること。そして、本人が頑張れたことを評価する。

そういうことを大切にしているとのことでした。

特に重視しているのが、子どもの自己決定です。

「子どもはちゃんと自分の考えを持っている。時間がかかっても、本人が決めることがとても大事」

保護者にも、そのことを丁寧に伝えているそうです。

「1時間行けたら、よかったね」と

不登校になると、保護者も大きな不安を抱えます。

毎日のように学校へ電話をかけ、

「何とか授業を受けさせてほしい」
「課題をやらせてほしい」

と強く願う保護者もおられたそうです。

その気持ちも、とてもよく分かります。

それでも学校は、まず本人の状態や意向を尊重しました。

そして保護者には、

「学校へ行く時は、1時間行けたら『よかったね』と伝えてあげてください」

と話したそうです。

徐々に保護者も理解し、子どもの声を聞くことの大切さを学校と共有できるようになっていったとのことです。

とても大切な実践だと感じました。

 

不登校の保護者が安心して話せる場所も

進路については、それぞれのケースに応じて個別に説明し、必要な情報を提供しています。

さらに昨年度からは、コミセンで希望する不登校の子どもの保護者を対象にした懇談会も行われています。

そこでは、安心して、外にはなかなか話せないことも話すことができます。

小学校にも案内し、参加した保護者同士がつながり、励まし合ったり、交流したりする関係も持たれているそうです。

今後は、通信制高校の先生を招いて話を聞くなど、さまざまな企画も考えているとのことでした。

 

「誰一人取り残さない」を本当に実現するために

学校に来ている子も、来ることができない子も、すべての子どもの状況を把握して対応していく。

担任は家庭訪問をしたり、連絡ツールを使って家庭とつながったり、本人と直接話す機会をつくったりしています。

そして校長先生も、そうした取り組みを学校全体で支えていきたいと話されていました。

一方で、大きな課題もあります。

先生たちがもともと抱えている授業時間数が多く、そこにさまざまな課題への対応が加わっていることです。

どれほど「一人ひとりの子どもに向き合いたい」と願っても、先生たちに時間と余裕がなければ限界があります。

校内支援センターという「場所」をつくるだけでは十分ではありません。

そこに人を配置すること。
子どもが来たいと思った時に受け止められる体制をつくること。
保護者を孤立させないこと。
そして、先生たちが子どもと向き合える時間を保障すること。

志紀中学校の「toi toi toi」の取り組みから、不登校支援とは、子どもを何とか学校に戻すことではなく、その子自身の気持ちと選択を大切にすることなのだと改めて感じました。

「今日はここまでできたね」
「1時間行けたね」
「自分で決められたね」

そんな一歩一歩を大切にできる学校へ。

そして、学校に来ている子も、来ることができない子も、誰一人取り残さない教育を実現するために、現場の努力だけに任せず、必要な人員と体制を保障していくことが行政の役割だと思います。